《江戸時代の扇2》- 男性持扇・九条門流夏扇

男持ち1 扇面2

男性持扇1

長さ 25.5cm 幅 43cm 10本骨 糊地
表北野天満宮萬燈之図 裏北野天満宮御社之図 銅版画。

裏の最後の文

時に嘉永五年(1912)950年御遠忌相当らせまい先例のごとく万灯会御営みに付2月1日より同25日まで貴賎これを参拝し奉る但し御鎮堂より当年まで898年なり

嘉永五年(1912)製
※銅版画
天明三年(1766)九月頃初めて日本に銅版彫刻なる技術は司馬江漢により外国より伝えられ亜欧堂田善その門人にその業を継ぐ。
男持ち1 正面男持ち1 扇面男持ち1 扇面2


男性持扇2

長さ 25.8cm 幅 40cm 13本骨 糊地 綱目 表金泥銀泥波 裏無地 手描き
長さ 25.8cm 幅 40cm 13本骨 糊地 綱目 表金泥銀泥伏見大社鳥居   裏無地手描き
長さ 25.8cm 幅 40cm 13本骨 糊地 綱目 表金泥銀泥菊 裏無地 手描き
江戸後期製
男持ち2 正面男持ち2 扇面男持ち2 扇面裏


男性持扇3

長さ 30.7cm 幅 44.5cm 16本骨 白竹 表雲山朝暮望一望一思君
水墨画 手描き 裏銀砂子振り 菊地耕斉画、儒者、名東匂、林羅山門、天保2年65才没
江戸後期製
男持ち3 表男持ち3 裏


男性持扇4

長さ 27.4cm 幅 46cm 10本骨 白竹 糊地 木版刷 仁風扇

江戸時代京都でしばしば、飢餓、大風、火事の為米不作商売出来ず困窮せる町人を救出するため、
各所に分けて施米所を作り粥やお金を与えた。
その記録並びにこの徳行を後の世に知らせ残さん為本にして「仁風」と題して出したものを扇子にした。

嘉永3年(1850)製
男持ち4 正面男持ち4 裏


男性持扇5

長さ 27.5cm 幅 44cm 11本骨 竹黄染
親骨 一條門流丁字流し彫
糊地網目 表裏金泥若松 手描き 江戸後期製
男持ち5 正面男持ち5 裏


九条門流夏扇

長さ 33cm 幅 51cm 12本骨 竹黒染 親骨長丁字透し彫り 要は象牙
糊地 表薄紅地天地金砂子振りたんぽぽ 裏薄紅地天地砂子振り鷹の図。手描き

五摂家にはそれぞれ親骨の彫が定められている。
夏扇の特徴は裏絵の色あざやかなその上に扇の中骨が張り付けられている事で、
平安時代初期に作られたかわほりの姿を伝えているものである。

※かわほり
裏面 長さ 37.5cm 幅 43cm 5本骨 江戸末製
※糊地
扇面地紙の一種、沈糊(グルテン)と雲母の微粒子を炊き合わせたものを、手漉き和紙の帛の両面に塗り乾燥させる。
この作業を表、裏、二度ずつ繰り返し作ったもの。
現存する日本最古の糊地は、大阪四天王寺の扇面古写経(国宝、平安時代後期)である。
九条門流夏扇1九条門流夏扇2九条門流夏扇3


次のコーナーでは、江戸時代の夫人方が使っていた扇子をご覧いただきましょう。
それでは江戸時代の扇その3  女性持扇・袖扇へどうぞ。